先の日記(アメブロの)にコメントをもらった「Dancer」さんへの返事という形で日記を書きます。
Dancerさんの質問は————
『プロHIPHOPダンサー』と書いてありますが、その『プロ』とは、どこからを基準に言うのでしょうか?
DANCEでお金をもらうようになればプロ、でしょうか?
私は、人前に立って踊る以上は、お客さんはお金払って見に来てくれてるわけだから、みんなプロだと思うんです。というかプロ意識をもたなきゃいけないのではと思います。
だから極端にいえば、自分でプロだと言い切れば、どんなDANCEをしていてもプロと言えるのかもしれません。
ENGINE#9さんはわざわざプロHIPHOPダンサー、とつけていますが、どうしてわざわざ付けているのでしょうか?
ENGINE#9さんが思うプロとはなんですか?
同じDANCERとして気になっていたので、ぜひ教えて下さい!
——————————-
というものでした。
Dancerさんのみならず、多くの人が同じ疑問や、質問をしたい所なんじゃないかと思う。
俺の思う「プロ」というのを完全に俺の主観でしかないけれど書いてみたいと思う。
「そうちゃうやろ〜」という人も中にはいると思いますが、それはそれで正解だと思う。
ただ、俺の主観なのでご了承下さい。
Dancerさんの言うように「お金をもらうようになればプロ」という定義は昔からあります。
「人前に立って踊る以上は、お客さんはお金払って見に来てくれてるわけだから、みんなプロだと思うんです。というかプロ意識をもたなきゃいけないのではと思います。」
正にその通りだよね。得に「プロ意識を持つ」というのはとてもポイントになるキーワード。
しかし「お金をもらうからプロ」というのは、俺の中では微妙にニアンスが違ってくる。
「プロ」というのは「覚悟」だと思う。
自分自身がプロとして、プロダンサーとして、何を求められ、それを求める人が納得する以上の形で還元することが出来るということだと思う。
俺自身が「プロ」としての冠を付けるようになったのは、アディダス・ジャパンがスポンサーに付いてくれた時。
「ショーを踊ってお金をもらった」のではなく、それ以上にもっともっと大きな「責任」を背負った時だった。
俺が「カッコイイ踊り」を踊り、それれを見ている人達が、踊りと同時に「あの衣装カッコイイね〜」と、その看板に泥を塗ってはいけないんだと言う大きな責任を背負った。
「スポンサーの犬」ではなく、俺の活動をサポートしてくれるスポンサーだからこそ、その誠意に対して最大限還元をしなくてはならない。
「還元」が無ければ、スポンサーに付く意味がないのだから。平たく言えば「広告塔」になるということだ。
アディダスが2年だったかな?の後に、プーマが1年ほどスポンサーに付いてくた。そしてアメリカのLUGSやPURE PLAYERなどが、俺個人ではなくチーム(New York City Breakers)に付いてくれたりした。
踊りという文化を通して、企業は、そこの商品の販売促進を狙う。それはビジネスであり、自分達のメリットと同時に、それ以上に相手に対してメリットを感じてもらわなければ成立しないことなのだ。
その後、自分で「Street Level New York(http://www.streetlevelnewyork.com/)」を立ち上げ、今度は逆にスポンサーに付く立場に立った。
日本ではその当時一番勢いのあった「BRONX」のスポンサーとなり、オリジナルのアイテムも制作した。アメリカで開催されるイベントにもスポンサーとして名前を連ねた。
それは、その「広告塔」を通して、自身のビジネスの成長を期待するからである。
そういった背景をちゃんと理解し「覚悟」をする。
それが「プロ」なんだと俺は考えている。
自分自身の結果(評価)がそのスポンサーに対して還元される。その為に、自分自身をより今の場所よりも常に高い位置に持ってゆかなくてはならないし、その為の努力を日々行う。
プロである以上、どんな状況であれ「失敗」は許されず、完璧にこなすことが必要になる。
「今日は体調が悪くって….」は通用しない。それこそが「責任」であり、プロとしての「意識」なんだと思う。
自分に妥協せず、常に上を目指し、今以上の「結果」を求めて努力をする。
一つ言っておこう。「今以上の結果」とは「今よりも凄い技が出来る」という事ではない。
それも「含む」ではあるが、それ以上に、観客(見ている人)に対して「何かを伝えることが出来る」という意味だ。
俺の意識の中には常に「今回のショー(ワークショップ等々を含む)で、死んでも悔いは無い。この瞬間が、俺の持っている最高の時間を提供する」というのを持って望んでいる。
その意識こそが「プロ」という言葉の意味だと俺は思っている。
例え¥1000のギャラのショーでも、¥100000のギャラのショーでも、常に120%の状態で挑む。
俺の中では「お金をもらうからプロ」は「小手先の素人」に過ぎない。
実際、ここ最近行ったショーのギャラは、個人的な収入としては¥2000位だったり、差し引き¥0だったりする。
しかし、それでも良いんだよ。そのステージに立つ意味があり、それだけ自分を必要とされているという気持ちを感じることが出来るのであれば、俺は「プロHIP-HOPダンサー」として何処にでも行く。
Dancerさん。俺の思う「プロ」というのをツラツラと述べさせてもらったけれど、「覚悟」の意味はちゃんと伝わったかな?
必要であれば、いつでも会いに来てください。
インターネットが普及した昨今。
人として「生の声」でのコミュニケーションが減ったことに、寂しさを感じる。
人というのは、面と向かい、その声を、そのトーンを直に感じてこそ、始めて「コミュニケーション」が取れるのだと思う。
いつでも会いに来てください、いつでも会いに行きます。
DANCER へ返信する コメントをキャンセル